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輪廻の繰り返しにも似た伝統芸能の世界

そして、海老蔵
 本書は、平成16年5月の第11代市川海老蔵襲名披露公演をはさんで、前年の大晦日の成田山における護摩焚きや、歌舞伎座、松竹座をはじめとする海老蔵の出演する舞台を追った1年間の記録です。海外公演を追いかけてパリまで行ったり、表舞台を支える職人へインタビューしたり、著者の精力的な取材を通じて明かされるエピソードの数々が、単なる観劇評の域を超えて、歌舞伎の魅力をじんわりと伝えています。

 歌舞伎の魅力とは、まず舞台上で演じられる内容そのものです。江戸時代に第7代市川団十郎家が定めた歌舞伎十八番に含まれる「暫(しばらく)」「助六」のように伝統ある演目や、瀬戸内寂聴作「源氏物語」のような新しい作品について、舞台で披露される海老蔵の演技の魅力を著者は伝えます。
 特に「口上」とは、単なる舞台挨拶ではなく、芸事そのものです。「吉例にならい、ひとつ睨(にら)んでご覧にいれまする」と言ってから海老蔵が「睨み」を演じる場面は、観客に11代目が誕生した感慨を伝えるもので、パリのシャイヨー劇場でもブラボーの嵐になりました。

 もう一つの歌舞伎の魅力とは、先人が積み重ねてきた伝統の重みに後継者がどのように応えて何を加えるか、という繰り返しの妙を鑑賞することです。
 歌舞伎の人気が落ちていた昭和30年代に襲名披露公演を行なって人気を回復したのが現第12代団十郎の父である第11代。しかし、わずか3年で亡くなったため、現第12代は父・師匠・後ろだてを一気に失い苦労します。今回の海老蔵襲名披露公演がスタートして間もなく、その第12代団十郎が白血病で入院してしまいます。新海老蔵は、若くして父を失うかもしれないという運命の繰り返しにどう対応するのか、等々。歴史を知れば知るほど、歌舞伎を見る楽しみが増えていきます。

 輪廻の繰り返しにも似た伝統芸能の世界に、ひと時迷い込んではいかがでしょうか。
引用元:輪廻の繰り返しにも似た伝統芸能の世界

そして、海老蔵
 来年5月の海老蔵襲名を控えた市川新之助。
 今年は、大河ドラマ『武蔵』の主役という大役を勤め上げた。
 その市川新之助と本名である堀越孝俊、その両方に向き合ってみよう。自分をみつめるために、また自分を感じてもらうためにというテーマでまとめられた写真集。
 本のなかから、見つめられていると錯覚してしまうほどの眼の強さが印象的。
引用元:

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